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12-Strings High 
「ベルが鳴るように余韻が残る」 by ロジャー・マッギン

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リーダーが津田沼まで寝過ごしながらも程よい酔い加減で
12弦ギターについて語ってくれましたので僕もそろそろ。

ジョージについては前フリの如く前の日記で触れていたので
詳しい話は割愛するとして、映画、アルバム
『ア・ハード・デイズ・ナイト』のおかげで
12弦ギターという物がビートルズや60年代周辺を愛する者の
重要アイテムの一つとなったのは今でも変わらないでしょう。

で、実際に現代における12弦ギターとはどんな扱いなんでしょう?
正直に申しますと、ギタリストだから12弦を必ず手にするかと言うと
そんな事は全く無いだろうと思います。特にエレキは。

比較的エフェクトという要素をかけづらいアコギですと、
音の厚みの要素として12弦ギターは選択肢の一つに入れる
方は多いと思うんですね。
但しエフェクトをアンプも含めた上で大なり小なり
かけるのが基本であるエレキ・ギターになると、
12弦と言うのは、「同じ」は出来なくとも「代用」
の利くエフェクツが多く、しかも比較的簡単に存在したりします。
代表例が「コーラス」というエフェクターでしょう。
コーラスをかけてクリーンな音で開放弦を
鳴らすととても綺麗に響きますね。

もう一つは鍵盤楽器のハープシコードでは無いでしょうか?
これも60年代を意識させる楽器で、キンクスの多用で有名です。
実際にビートルズだと「フィクシング・ア・ホール」等でその
サウンドを耳にする事が出来ますね。

よって現在の音楽において12弦のエレキ、特にリッケンバッカー辺りを
持ち出すのはある特定のジャンルに限られているような気もします。
ロジャー・マッギンこそ12弦が本当にトレードマークみたいな物
ですが、逆にジョージにとって表立ってビートルズで使用したのは
65年の「イフ・アイ・ニーデッド・サムワン」辺りが最後では
無いでしょうか?勿論後も隠し味的には使っている可能性は
ありますが、大々的にフューチャーされているのはこの曲が
ハイライトと言えるかと思います。
実はこの曲の使い方はアルバム『ア・ハード・デイズ・ナイト』で
聴かれる使い方とは大きく違うと思うのですが、それは後ほど。

リッケンの12弦を使った著名ミュージシャンはジョージとバーズの
ロジャー・マッギンだけでは無いのですが、二人の12弦に対する
アプローチは少々違うと僕は思うのです。

先ず、ジョージですが、まだサウンドがシンプルで、スタジオ録音でも
ライブ演奏をする事が前提だった初期において、12弦は音の厚みを
提供する恰好のアイテムだったのではないでしょうか?
この頃はポールがベースを離れてピアノを弾くなんていう事も
ライブでは勿論無く、そう言った意味で12弦はまるで鍵盤楽器のように
音に潤いを与えてくれたアイテムだったのでは無いかと推測します。
また、普通にソロを弾いても独特の音色になるのでそういった意味でも
ジョージ、そしてビートル達にはサウンドの装飾として刺激的だったと
思うのです。結果として『ア・ハード・デイズ・ナイト』では12弦を
多用することになります。もう12弦のサウンドがこのアルバムの
代名詞となっていると言っても言い過ぎでは無いくらいです。
結果としてこのアルバムの半数程度で12弦ギターを持ち出しています。

川瀬タソも触れていましたが、これを見てバーズのロジャー・マッギン
は12弦を手にしたと言われています。但し後発な所もあってか
ロジャーの12弦に対するアプローチは少々違うような気がします。
ロジャーの場合は、12弦を開放弦、もしくはカポタストなどを
使用して「持続音」的に鳴らす事によって、12弦独特の音の残響を
多用していました。これがサイケな雰囲気にも直結していくような
気がするのですね。持続音のする弦楽器と言えば、シタールのような
インド楽器もサウンドこそ違えど、サイケ楽器の代名詞と言えます。
バーズ自体、主メロディがはっきりした楽曲がビートルズよりも
少ないので、そう言った使い方はより顕著なのかもしれません。

つまり鍵盤的な厚みを補強したかったビートルズと、
よりいっそう「もやのかかったような」サイケ感を出したかった
バーズにとって、双方の12弦に対して求めていた物は違うのかも
知れない、と言うのが僕の邪推な訳です。

事実ビートルズは次作『フォー・セール』以降12弦の割合は減り、
その代わりの要素として、ジョンの弾くオルガンやエレピアノ、
ポールの弾くピアノなどの使用率がどんどん高くなっていきます。
先述した「イフ・アイ・ニーデッド・サムワン」では久々に
12弦ギターが大きくフューチャーされますが、
実はこれこそがむしろバーズに対するジョージ及びビートルズの
アンサー・ソングと言えるのではないかと思うのです。
この曲ではカポで開放音の高くなった12弦ギターが
サイケに鳴り響きます。勿論キャッチーさやコーラスの分厚さは
ビートルズならではのものです。

最後に川瀬タソが言うように12弦でも特にリッケンのそれは特別です。
いや、もっと言えばリッケンそのものがビーヲタや60年代を
愛するものにとって特別です。僕は以前に620と言うビートルズ自体は
使わなかったモデルを所有していた事がありましたがずいぶん前に
処分してしまいました。僕は基本的にはギタリストでありながら
ポールのファンなので、本当は4001が昔からとっても欲しいのですが、
それでは中々ステージで使う事も出来ないし、弾かない楽器なのに
一番高い物になってしまうのでず~っと躊躇しているわけですね。
いつかは欲しいと思ってるのですが、僕のヲタレンでの役割を
考えると、素直に330や360辺りのギターを手にするのが一番
無難なのかもしれません。そんなことを勝手に妄想しながら僕の
12弦話はここら辺で。

蛇足ですが、ジョージは来日の時に12弦はリッケンのではなく、
フェンダーの12弦ギターを使っていました・・・。

太佑


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